医療と介護の連携について

医療と介護の連携推進事業について

2014年に可決された「地域医療・介護総合確保推進法」により、市町村が主体となり、「在宅医療・介護連携の推進事業」に取り組む必要があります。
これは、保健所と地域包括センター、市町村、医療機関等の連携強化を目指すことを目的に実施されるもので、2018年4月には、全ての自治体で実施されることを目指しています。

具体的な内容としては、地域医療・福祉資源の把握および活用の提示(マップ作成等)、在宅医療・介護連携に関する会議の開催および促進、在宅医療・介護連携による関係者の研修会の開催、24時間体制の在宅医療、介護体制の構築、地域包括支援センターの専門職への支援(在宅医療関係等)等の内容になっています。

連携をする上での課題とは

在宅医療の現状における、「在宅で最期を迎え、患者(高齢者)の病院・施設志向を是正させていく」というコンセプトは大切ですが、その為には、サービス基盤を整備することが不可欠となります。
例えば、在宅療養支援診察所や訪問看護ステーションという在宅医療資源をどう補充できるか、ポイントになってきます。
何度も行われる診療報酬改定等により、在宅療養支援診察所は増える傾向にありますが、中には届け出のみ出しておいて、実際には看取るまで行わない医療機関も多いようです。

更に、訪問看護ステーションの増加は低調となっている為、訪問看護師の人材を「病院系」と「在宅系」と比べてみると、在宅系の看護師が不足となります。
24時間体制の医療資源が確保できないのであれば、この事業は実現することはないでしょう。

在宅で「看取る」ことの難しさも問題となっています。
そもそも在宅医療・介護の連携の目的として、在宅での「看取り」を推奨しています。
ただし、必ずしも実現できるとはかぎりません。
患者や家族の気持ちも複雑です。
一人暮らしであれば、自宅で死にたいと思っても現実には体調が悪化すると心細くなるものです。
在宅で独りで亡くなるよりは、やはり病院で、と最終的になる人も少なくありません。

逆に、家族がいる場合でも「献身的に最期まで看取る」と構えていても、末期状態になると本人の辛そうな苦しみや眠れない程の看病が続くと、病院に入院させるケースも出てきます。

理想と現実を認識しておく

いろいろな角度から検証すると、在宅医療、在宅介護は献身的な家族の介護に支えられています。
つまり、介護保険サービスは家族介護ありきのサービスであり、その介護を補完するだけの機能に過ぎないという考え方もできます。
本来であれば、一人暮らしの寝たきり高齢者でも、在宅介護サービスのみで在宅生活が可能になるべきですが、実際には、一部の恵まれた地域を除き、理想と現実が異なるケースが多ようです。

在宅医療と介護の連携は推進事業は望ましいことですが、多くの課題も残されていると言わざるを得ません。